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松本太郎のブログです。 尺八の魅力を、多くの方にお伝えしたいと思っております。
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今年も、25日の明日、氷室神社で献奏する。

去年は長引いた冷え込みで名物の枝垂れ桜はさっぱりだったが、明日はきれいに咲いていてくれるだろうか。

世界中で本当に色々な事が起こっても、千年からの歴史のある神社はいつも同じ所にあり、私もまた、去年と同じ様に尺八を担いで行く事が不思議だ。

”夢が浮世か、浮世が夢か”というのが「ままの川」という地歌の出だしだが、その気分がちょっと分かった。 

 

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ザッハトルテというインストのバンドがCDの録音に呼んでくれてとても嬉しい。

もうかなり昔、沙弥音というロックバンドをやっていた時に対バンで知り合ったのだが、フレンチでもクレズマでもない不思議な世界を創る人達で、しかもそのパフォーマンスは徹底的にエンターテイメントに徹しており、私はいっぺんに好きになった。

私の昔のバンドもそうだったがジャンル分け出来ない様な音楽は本当に続けてゆく事が難しい。00っぽい音楽が欲しい、という営業仕事がほとんど取れ無いからだ。ザッハは良くあのスタイルで10年以上続けていられる物だと本当に尊敬している。
彼らの期待にそえる様頑張りたい。

信じられない事に、もう立派なおっさんになってしまった。
親戚が2日に集まったが、袋入りの里芋を座敷にぶちまけたように、子供だらけになった。甥と姪がたくさん産まれている。
3日には御弟子さんとの新年会。むかし丼で飲んでた日本酒を猪口で受けていたのに簡単に伸びてしまった。本当に歳なんだと感じたのは初めてだ。
ほとんどの時間を勉強に使っていれば、何時までも気分は若い。何せ音楽の修業というものは、毎日新しい門をくぐり続けるようなものである。けれど身体だけは誰でも同じように老いる。悲しい事は悲しいが、自然の平等にはただ感心している。

今年は初めて教室の発表会を開ける運びとなった。

私はおっさんになったけど皆、少しは音が出るようになり、四人目の娘はつかまり立ちを始めようとしている。めでたい、と言うべきなんでしょうね、やはり。

18日、私の道場で今年の締めになる演奏会。
堺市にお住まいの筝、三弦の中野幹子師のご厚意により、今年の活動を古典の曲で終えられた事がとても嬉しい。お琴の信田和美先生も遠方より賛助出演頂き、私の道場でやるのがもったいない華やかさだった。
私の御弟子さんにもチラシ制作や舞台づくりで助けてもらい、人とのご縁に恵まれた自分の幸せをつくづく感じた1日だった。

御越し頂いた皆様にも、深く御礼申し上げます。
今年、10、11月の色々な舞台に足を運んで下さった皆様、ありがとうございました。お陰様で大変充実した活動が出来ました。
たくさんの人に感謝申しあげたいし、ブログに詳細を書きたかったが、生後半年になる娘のおむつ替えに逐われてもう今年の終わりになりました。

締めくくりとして私の道場、楽々庵でホームコンサートを開きます。
糸方は中野幹子先生、信田和美先生をお招きして、奏曲、三曲、尺八本曲を演奏したいと思います。

予約制ですので、ご興味がおありの方はご連絡下さい。

来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

昨年の“なら100年会館”で開催した「子供達に伝えたい日本の音楽」コンサートに引続き、今年もなら100年会館中ホールに於いて、コンサートを行います。

今回は、なら100年会館の主催事業 ~地元出身者によるリサイタル~ として、文化庁からも助成を頂き、スウェーデンのリコーダー奏者 ヨーラン・モンソン氏をゲストにお招きしてのデュオコンサートを開催致します。

北欧、スウェーデンの伝統音楽は、自然に対する深い洞察と暖かいユーモアを持ち、いわゆるヨーロッパ文化よりも、我々日本人の感性により近いものに感じます。

今回のコンサート「笛の音」は、東と西のコラボレーションといった括りではなく、2人の笛を愛する男同士の異文化交流として、楽しんで頂ける事を目指しております。

是非お誘いあわせの上、御来聴下さいます様、お願い申し上げます。

私の師匠の師匠の師匠である福田蘭童先生の父君、天才画家青木繁の大回顧展が催されている京都国立美術館へ行ってきた。
”わだつみのいろこの宮”や”海の幸”など、すべての代表作を一度に見ることが出来る最初の、もしかしたら最後になるかもしれない機会である。美術館の英断に感謝。

蘭童先生の作曲に大きな影響を与えたであろうインスピレーションに触れたくて、前日からドキドキして出かけた。
普段こんな事は決してしないのだが、絵を見る前に心を落ち着けるため喫茶スペースでお茶を飲んだ。青木様へのお供えとしてビールも頼んだ。合掌したかったが、オープンカフェでビールグラスに手を合わせているおっさんの図はサイケデリック過ぎると判断してやめておいた。

作品に対して愛のある、美しい展示であったと思う。
一番前、入口を入ってすぐに大作”わだつみのいろこの宮”が、ぼうっとした薄明かりの中に掲げてあり、これにはやられた、と思った。
青木様は経済的に大変貧しかった。あまりの貧窮のためか、大きな作品はとても少ない。雇われ仕事の地方名士の肖像画などは数多いが、やっぱり魂が入っていない。恋人である福田たねを描いた”女の顔”と比べると、とても同じ作家とは思えない。

一周してみて、本当にしんどい、難儀な人生を生きられたのだと万感胸にせまった。
伝記もそう伝えているのだが、年代を追って絵を見るだけで、だれにでも解る。

そして作家の代名詞である”海の幸”。
言葉は悪いが、真っ先に”馬鹿力”と浮かんだ。
命が天に向かってまっすぐに屹立している。
どう見てもふつうではない魔力が有る。
そして不吉なものも感じた。
たいして勉強もしていないので口はばったいが、これに匹敵する魔力はゴッホの糸杉ぐらいしか感じない。
多分、人間が使ってはいけない類いの力なのではないだろうか。
思えばゴッホもたいそう難儀な人生を生きた人であった。

感動した。けど何かとても悲しい気持ちになって美術館を後にした。
奈良の氷室神社で毎年恒例の奉納演奏。
毎年、もっと良い演奏をしたいと思うのだが、低い気温の中、吹きさらしの拝殿での演奏なのであっという間に指が死んでしまっていつも四苦八苦する。
氷室の神様に次いで、震災で亡くなった方々に一曲、3年前に事故死した友達に一曲、震えながら聴いてくれている人々に一曲。俺のために一曲。

30分以上もつきあって下さったお客様、本当にありがとうございます。

それにしても変な寒さだ。神社の名物、しだれ桜もまだ開かず極端に見物人が少なかった。
現在進行形の天変地異も含めて、何だか人間が天にそっぽを向かれている様な感じだ。
東北の惨事についてはもはや言葉がない。あまりの悲しみにやりきれず、正直な所、耳をふさいでハワイにでも逃げてしまいたい。被災した人だけでなく、日本人全体の心の一部が死んでしまったと思う。これ程の悲しみにみんな耐えられるのか。きちんと受け止めて、前に進めるのか。

みんなで助け合える社会へ向けての第一歩となる事を全ての子の為に祈る。

私の師匠である石川利光師の先生、横山勝也師は古典本曲を海童道祖に、尺八による洋楽を福田蘭童師に習い、その2つの柱が私達、石川門下の中心的なものになっている。

横山師によれば海童道祖と福田蘭童は両者共、尺八界の異端でありながら全く相入れない世界観、音楽観を持ち、一方の教室においては、一方の名前さえ口に出来ない空気があり、大変であったと記されていた。
本当にどれだけ大変だったろうと思う。
自分の先生の所には、もう一人の先生の敵がいるのだ。

今、私達は古典も現代曲も何の気なしにやっているが、その土台を作ってくれた大先生の恩を最近つとに感じる。
昨年夏から取り組んできた「文化庁委託事業 尺八こども教室」の発表会を奈良市の音声館で開いた。
音声館が定期的に開いているサロンコンサートの前座とはいえ、60人ものお客さんに聴いていただけてうれしかった。
7~11歳の子どもたちなので、まだみんな尺八を吹くのに充分な体格ではなかったが、よくついてきてくれたと思う。センスの良い子たちが集まったので、なんとか乙音(低い音)の曲はこなせるようになった。

第二期尺八こども教室は6月18日より隔週で土曜午前10時から開講します。
(小学生から中学3年生までが対象)
ご興味がおありの親御さんはメールにてお問い合わせください。

最後に、小さな尺八を作ってくださった和歌山の守山鷲声(しゅうせい)さん、奈良の松本学さん、助かりました。
本当に有難うございました。

 
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